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新聞社―破綻したビジネスモデル(河内孝) 
評価:
河内 孝
新潮社
¥ 735
(2007-03)
Amazonランキング: 3606位
Amazonおすすめ度:
相変わらず古い体制にしがみつこうとする既存メディア
河内孝、慶応卒の毎日新聞社常務の真摯な新聞社論
ビジネスモデルは確かに破綻している
 出版業界や印刷業界が深刻な不況に晒されていると噂されて久しい。紙媒体のメディアが電子媒体の猛攻に防戦一方という構図が目に映る。本書は紙媒体の情報の親玉である新聞をテーマに現代的課題を分析している。著者は毎日新聞社を定年で退職したいわゆる「新聞のプロ」である。その眼は自社の置かれた現況を説明するのに止まらず、新聞業界全体の行く末を洞察したものとなっている。
 我々のような素人が考えることは、インターネットの発達した未来に新聞はどのような立ち位置で存在しているか疑問符が付くといったものであろうが、新聞社の実問題はそのような未来的な問題以前に前近代的なビジネスモデルから全く脱皮できていない点にあるようなのだ。新聞をはじめとするマスコミは権力の透明性を訴え、欺瞞を暴き、真実性の確保のために日々目を光らせるものであるべきだが、反面、自社のあり方やマスコミ業界の暗部となると途端に沈黙が走るというのだから民衆の信頼を損ねて当然であろう。本書はそうした逆内弁慶を鋭く指摘しているのだが、特に注目したいのは新聞各社による「押し紙」の存在を指摘している点である。新聞社の収益の半分近くを占めている広告料を算出するためにも、新聞は発行部数が生命線であるとされている。この発行部数を水増しするために、契約されていない新聞が大量に販売店に降ろされているというのだ。これを「押し紙」と呼び、新聞全体の発行部数の10%を超えるのではないかとも試算されている。金額にして年間300億円以上の新聞が梱包を解かれもせずに、廃品流れになっているというのだから確かに看過できない問題である。その他、新聞拡張員の強引極まる手法への批判や、今後あるべき新聞社の姿を模索した論考もある。少々専門的な見地からの分析が多く読み疲れする部分もあるが、我々のような新聞読者にとって新聞拡張の現実や押し紙の実態、新聞広告の未来像を知ることは決して無意味ではあるまい。
 今、まさに情報は個々人の選択の時代に入っていると言えるだろう。一方で新聞は全方面的知識を与えるものである。インターネットのように「知りたい情報を取り出すためのツール」が高度に発展した現代は、ある意味で本人の趣味趣向に偏った断片的知識の収集に終始してしまいがちになるものだ。情報と呼ばれるものが「人間の成長・完成」という文明的目標を基軸にするならば、新聞の役割は簡単に終わってもらっては困るというのが私の感想だが、その為には幾重にも亘る課題をクリアしていかなければならないだろう。本書はそうした角度から読む時に一層の価値を見出すことができるものであると思う。
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